コミュニケーションのバイパスとしての「談話室」メソッド
prismatix事業部の塩谷 (@kwappa) です。
1月の後半からずっと、自分の部署に限定しない1on1を「かっぱ談話室」というタイトルで実施しています。話題はなんでもよくて、ぼくの経験やキャリアをお話ししたり、単に雑談をしたり、ガチなお悩みの相談を受けたりと、いろんな目的で参加してもらっています。
この記事では、部門も話題も限定しない1on1である「談話室」というメソッドと、その効能としての「コミュニケーションのバイパス」についてご紹介します。
「談話室」メソッド
「談話室」は、部門・話題を限定しない誰でも歓迎の1on1です。
やりかた
- 談話室を希望する人は予定を予約します
- Google Calendarの「予約枠」機能を使います
- 30分1枠で、他の予定に重ならない時間帯をあらかじめ予約可能にしておきます
- Google Meetで談話します
- 基本的には会話をするだけです
- 話題はどんなものでも構いません
- 参考になるリンクがあればSlackで共有したりします
実績
- 1か月ちょっとで30回以上実施しています
- 直接会話するのは初めての人も10人以上いました
- 2回目以降の「おかわり」をした人もいます
- 話題は多岐にわたります
- 単なる雑談
- ぼくの昔話
- 社歴や職歴
- コミュニティ活動やアウトプット
- 身の上話
- ちょっとした相談
- キャリア
- 技術やマネジメント
- 子育て
- 恋愛(!)
- ガチ相談
- 仕事について
- 組織について
- キャリアについて
相談事についてはちょっとしたアドバイスをすることもありますが、基本的にはコーチングに近いスタンスで談話しています。つまり、具体的なソリューションを提案するよりは傾聴を主とし、相談者の気分転換になったり、解決のためのアクションにつながるような気づきがあることを目指しています。
真剣な相談を受けることも複数回あり、単なる談話以上の効果が出ているような気がしています。
コミュニケーションのバイパス
さて、「談話室」のようなカジュアルで組織の枠に依存しないコミュニケーションの機会は、バイパスとして機能することが知られています(ぼくの中で)。前職でも「お悩み相談室」というタイトルで組織に依存しない対話の機会を設けていた経験から、今回もそういう場としての存在を意識して行っています。
その「コミュニケーションのバイパス」とはなんでしょうか。
ピラミッド型の会社組織で業務を行うときは、「ほうれんそう」と呼ばれる報告・連絡・相談を「レポートライン」に沿って行うコミュニケーションが中心となります。例えば、メンバー→リーダー→マネージャーのような形を想像してみてください。ツリー型の構造は、組織を運営していくためにある程度の合理性があります。
しかし、ツリー構造には大きな欠点があります。ノードをたどっていく途中でコミュニケーションの障害点があると、そこで行き止まりになってしまいがちなのです。ツリー構造をスキップしてほかの相談先を探すことができればよいのですが、そのようなアクティブな動きができる人間ばかりとは限りませんし、相談先を知っているかどうかという事前の人脈に影響されてしまいます。
ツリー構造とは離れたところに設置された「談話室」は、コミュニケーションがブロックされてしまった場合のバイパスとして機能します。上下関係やロール、業務での関係性などから切り離されたところにわかりやすい相談先が存在していることで、ネガティブなインパクトを緩和することができる(場合もある)のです。
「かっぱ談話室」でも、こういったバイパスとして利用してもらったケースもありましたので、それだけでも実施した意義があったのではないかと思っています。
談話、してみませんか
ということで、「談話室」メソッドと「コミュニケーションのバイパス」についてご紹介しました。みなさんの周囲でも、コミュニケーションのパスがどうなっているか、単一障害点はあるか、バイパスはあるか、などを考えてみるのはスムーズなコミュニケーションのためによい効果があるでしょう。